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雨滴径および雨滴エネルギーが浸透能、表面侵食に及ぼす影響

実施期間: 平成18年度
研究代表者: 福囿輝旗
研究参加者: 佐々木良宜
共同研究先: 筑波大学:恩田裕一、諏訪 俊 ・南光一樹(東京大学)

目 的

 近年、日本国内において、手入れの行き届いていないヒノキ人工林の林床の裸地化がおこっている。裸地化した土壌では雨滴による土壌侵食量が増加する。土壌侵食量は雨滴の衝撃エネルギーと密接な関係があるため、ヒノキ林内の雨滴粒径と衝撃エネルギーの定量化は土壌侵食量を推定する上で重要である。林内雨滴の形成過程には樹種・気象条件・樹冠形態の三条件が関わっていることがわかっている。本研究では、樹冠構造に着目し枝高さ・枝間隔・枝本数の違いをパラメーターとして実験を行い、得られたデータを解析することで樹冠構造による雨滴粒径分布の変化について評価することを目的とする。

実施内容

 実験は防災科学技術研究所の大型降雨実験施設で行った。枝本数と枝間隔を自由に操作できる模擬樹冠を作成し、そこへ 40mm/hの霧雨状の人工降雨を与えることで林内雨を再現した。模擬樹冠からの通過雨滴の粒径と落下速度を真下に設置したレーザー雨滴計を用いて測定した(図1)。模擬樹冠は長さ 1.5m程度のヒノキの枝を6本採取し、長さ 4mのポールに枝をくくりつけ作成した。枝の高さが 2, 5, 8, 10mの位置になるよう実験施設内に固定し、それぞれの高さにおいて枝の本数(1, 2, 4, 6本)と枝間隔(10, 30, 60cm)を鉛直方向に変化させた。

成果と効果

 本実験では林内雨滴形成条件を単純化し、ヒノキ単木の樹冠構造が林内雨滴形成に与える影響を調べた。その結果、落下距離延長に伴う雨滴落下速度の上昇、枝間隔延長による大粒径雨滴飛沫化の影響増大、大粒径雨滴の大部分が枝下高から滴下したものであることが考察された。このことから下枝の枯れ上がりや樹冠の単層化が見られる密植ヒノキ林では、大粒径雨滴飛沫化が起こりにくく枝下高が上昇するため、通常の林分と比較して林内雨の質量・落下速度がともに増加し、土壌侵食量が増加すると考えられる。

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