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斜面崩壊現場の二次崩壊危険度予測手法に関する研究

実施期間: 平成18年度
研究代表者: 福囿輝旗
研究参加者: 佐々木良宜
共同研究先: 消防大学校 消防研究センター 新井場公徳

目的

 斜面災害現場における緊急時の行方不明者の救助や住民の避難誘導は,その活動の安全が確保されていなければならない.しかし,既存の危険度監視支援機材では,設置のために人間が危険斜面へ立ち入る必要があり,また準備や観測値が安定するまでに時間がかかるなど,緊急対策に使用する上で難点が存在する.これらの難点を克服できる手法として遠隔からの監視システムが有用であると考えられる。その一つとして、本研究では、遠隔から地表を繰り返し測量して斜面の崩壊前の変形を事前に検知するシステムを開発することを目的としている。本年度は、そのシステムのデータ取得・精度向上方法を検討し、得られたデータの物理的な意味について明らかにする。

実施内容

 大型降雨実験施設を用いて大規模斜面模型による崩壊実験を行い、土塊の変形状況を遠隔監視するためにレーザースキャナによる測量を行った(図1)。昨年度までの共同研究の結果、斜面の崩壊前変形を遠隔で面的に計測する手法は既に開発している。本年度は当該手法の精度と実用性を検討するためのデータの蓄積をはかることを目的として時間的に高密度な計測を行い、変形状況の時間変化の検出を試みた。

成果と効果

 崩壊の約20分前からの顕著な変動を、現場で遠隔からリアルタイムに観測できた。図2に示すように、降雨開始直後からわずかずつ斜面が陥没する傾向が見られ、約100分から約130分にはやや隆起する傾向を見せている。崩壊の約20分前から隆起が加速して崩壊に至っている。130分からの変形の加速については、これまで3回計測されてきており、この模型実験では約20〜30分前から最終的な加速がはじまるということは確実と言えるだけのデータの蓄積が出来た。
 本実験も含めこれまでにこの手法によって得られた変形曲線は、既存の崩壊予測式よりも加速度合いが小さいことなどが明らかとなった。 これらの実験結果は、二次崩壊などに起因する斜面災害の防止に資するシステム、すなわち、遠隔から斜面の崩壊前の変形を事前に検知できるシステムを開発するにあたり、必要不可欠な基本データである。

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