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台風災害の長期予測とその被害算出に関する研究

実施期間:平成18年12月〜平成21年3月
研究代表者:下川信也
研究参加者:栢原孝浩、大楽浩司、松浦知徳、飯塚聡
共同研究機関:損害保険料率算出機構

目的

 防災科学技術研究所では、プロジェクト研究「台風災害の長期予測に関する研究」を推進している。その中で地球温暖化等に伴い予想される台風による災害リスク評価や過去の台風災害情報を活用した災害に対する長期的脆弱性変化の情報を発信することを目標としているが、これらに加えて台風による経済的な被害額の算出ができれば、より有用な情報を社会に提供でき、従って、台風災害軽減への社会貢献に資すると考えられる。しかし、防災科学技術研究所においては、自然災害における経済的な被害額の算出等の社会科学的な側面についての研究の実績はまだ十分ではない。
 一方、損害保険料率算出機構では、損害保険に多大な影響をもたらす自然災害について保険料率算出を目的として従前から研究を行っており、昨今叫ばれている地球温暖化に伴うリスクの増大については強い関心を持っている。今後の不確実なリスクの動向把握には統計的処理では限界があり、理工学的シミュレーションが重要である。これらシミュレーションには気象、土木をはじめとする各種分野の専門的知識が不可欠と認識している。
 従って、防災科学技術研究所と損害保険料率算出機構が共同研究を行うことは互いの研究推進のために有意義と考えられる。以上より、今までの互いの経験を活かした協力により効率よく台風災害の長期予測とその被害算出に関する研究において成果を挙げることを共同研究の目的とする。

研究内容

a. 台風災害データベースを用いた台風災害評価に関する研究
 互いの台風災害情報を共同利用することにより、互いの台風災害データベースの充実をはかり、それらを利用した台風災害被害に関する評価を行う。

b. 地球温暖化等の気候変動に伴う水災害リスク評価に関する研究
 IPCCの複数モデルによる温暖化実験結果を用いて、モデルの違いによる不確実性を考慮した水災害のリスク評価を行うと共に、高解像度の領域大気・陸面・河川結合モデルによる温暖化実験を行い、急峻な地形の日本における洪水・渇水リスクについて検討を行う。

c. 地球温暖化等の気候変動に伴う台風災害リスク評価に関する研究
 IPCCシナリオ等の結果に基づき地球温暖化に伴う北西太平洋での台風の発生数、日本への上陸数、強度、経路がどのように変化するか、またその変化が風災危険度にどのように影響を与えるかについて検討を行う。