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土石流避難の成功例(平成10年新潟豪雨)

はじめに

平成10年8月4日の未明から昼にかけて、新潟県佐渡から下越にかけて記録的な豪雨に見舞われ、甚大な被害が発生しました。

両津市東立島地区では、渓流で土石流が発生し、下の写真のように家屋が土砂に埋まりましたが、区長の機転により住民12世帯が土石流発生前に自主避難し、人的被害を逃れることができました。

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佐渡・東立島川の土石流(1998年8月4日:写真は新潟県提供)

平成10年9月に実施した現地調査(主要災害調査第36号)で、避難誘導した区長さんから直接話を伺うことができました。

区長さんの当日の行動

2:30 目が覚めた。きつい雨音に気づく。木の葉に当たる雨音がいつもと違う。習慣でイヤホーンでラジオを聴く。

3:00頃 といの水があふれる。異常に気づき起きる。敷地に水が入り始める。消防団がかけつけ土嚢を積む。安心して村を見回る。

4:00頃 皆、家の周りに出ていた。区長なのでいろいろの電話が入った(電話番はご夫人)。市役所に電話を入れる。

山の方でプチプチ音がする。裏山が崩れるのではないかと思った。

7:30頃 山が上から下まで動いた。上の家が土で埋まるのが見えた。大声で避難誘導。

8:00頃 道路の橋で河口がふさがり、鯨が潮を噴き上げるように水が吹き上がり、一面が海のようになった。反対側の集落には連絡がとれなかった。(後に無事を確認)

留意事項

  • 区長氏は自然の変化を極めて注意深く観察し、その異常を敏感に感じとっておられる。(「山の方でプチプチ・・・」は、おそらく斜面の変形によって植物の根が切れる音であり、斜面崩壊の前兆現象である)
  • 雨が一旦小康状態となった午前3時以降も、警戒を続けたことが適切な避難誘導につながった(その後午前6時すぎに再度の大雨があり、土石流発生につながった)。

勇気ある行動によって住民を災害から守った区長氏に、心からの敬意を表します。

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