国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
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在学生・修了生から

 吉田翔(2011年度 博士前期課程修了)


はじめまして。吉田と申します。私は2010年4月に筑波大学大学院 生命環境科学研究科 地球科学専攻 博士前期課程に入学しました。

大学院で学んだこと


私の大学院における研究テーマは一言で言うと「短時間豪雨の予測精度の向上」です。近年社会問題になっている局所的な短時間豪雨(いわゆるゲリラ豪雨)を精度良く予測する手法を開発しました。

私が所属していた研究室では、防災科学技術研究所と連携大学院方式を採っており、当時最先端で、他にはなかったXバンドマルチパラメータレーダのデータを利用することができました。このXバンドマルチパラメータレーダによる高精度雨量データを予測初期値とし、セル追跡を用いた降雨域別の移動ベクトル推定を行うことで、従来の手法では予測することが困難だった停滞性の降水システムによる豪雨の予測精度を向上させることに成功しました。

研究室の雰囲気


研究室は大学内ではなく、前述の防災科学技術研究所内にあります。学生は少ないのですが、周囲には研究者が多く、疑問点を質問に行くと丁寧に教えてくださいます。研究者の方が作ったプログラムを利用させて頂くこともでき、それが研究の主軸ともなりました。また、滞在時間の縛りはほとんどなく、朝早くから夜遅くまで研究所に籠もっていました。設備の面でも、広い机、一人一台のパソコンを与えて頂き、のびのびと楽しく研究することができました。


現在の仕事


私は現在、民間の気象系会社に就職し、学生時代に培った気象レーダの知識を活かして、短時間降雨予測手法の研究・開発等に携わっています。大学、研究機関との共同研究もしており、さらなる降雨予測の手法の開発を目指しています。プログラム作成に関しても、学生時代に培った知識で通用しており、大変助かっています。

仕事の成果を学会で年に2、3回発表する機会もあり、今でも学生時代にお世話になった研究者の方々との交流があります。お会いすると研究内容について褒めて頂けたり、改善点を指摘して頂けたりと、とても感謝しております。卒業してからも研究研究の毎日ですが、楽しく過ごしています。

学びたいことがはっきりとしていれば、それを全力で支えて頂ける環境です。是非、この研究室で興味のあることに挑戦し、自らの研究を深めてください。

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 柴山拓実(2015年度 博士前期課程入学)


HPをご覧の皆様、はじめまして。私は、筑波大学 生命環境科学研究科地球科学専攻 博士前期課程1年の柴山と申します。

当コラムでは、私が所属しています、連携大学院 陸域水循環システム分野について、簡単にご紹介させていただきます。よろしくお願いします。

連携大学院方式とは、簡単に言えば、外部の研究施設へ赴き、その環境を活用しながら研究活動を行う大学院の形式です。学生は、筑波大学に併任教授・准教授として迎えられた、それぞれの施設の研究者の下で、自分達の研究に勤しみます。一流の研究者の方々から直々に研究指導を受けられるのが、連携大学院最大の魅力です。

陸域・水循環システム分野は、国立研究開発法人 防災科学技術研究所に所属する研究者の方々から構成された分野です。現在、本分野には、三隅良平先生、下川信也先生、出世ゆかり先生の3名の先生方が在籍し、それぞれの専門分野に関連した研究を行えます。各先生の研究分野に関しては、HP当該ページをご覧ください。

私は、下川信也先生の指導の下、沖縄県西表島にて造礁サンゴの研究を行っております。西表島は、手つかずの大自然が残り、イリオモテヤマネコをはじめとした、多くの固有種が生息する貴重な場所です。そして、世界の中でも、特に多くの造礁サンゴが生息する海域として有名であり、私の研究対象地域である網取湾・崎山湾は、国の自然環境保全地域に指定されています。

私の研究テーマは、『西表島網取湾・崎山湾における造礁サンゴの分布と物理環境との関係について』です。造礁サンゴとは、クラゲやイソギンチャクに近い動物で、硬い外殻を持ち、サンゴ礁の形成に大きく貢献するサンゴ種のことです。(よく混同されますが、造礁サンゴは動物で、サンゴ礁は造礁サンゴ等の遺骸が堆積した地形のことを指します。)多くの造礁サンゴは、周囲の物理環境(日光,塩分,波浪外力,流入土砂量など)に対応して、身体の形が変わるという習性があります。それ故、同じ湾の中でも、物理環境の違いによって、その場所に分布するサンゴの形は大きく異なってきます。例えば、枝状のサンゴは繊細で折れやすい為、波の穏やかな環境に分布します。反対に、平べったい形のサンゴは、波にとても強い代わりに土砂に埋まりやすい為、土砂の少ない環境に分布します。

西表島での現地調査は、結構な重労働です。サンゴ礁は水深が浅いため、エンジン付きの大型船は進入できません。その為、自分でカヤックを漕ぎ、調査地点に着いたら、フィンとシュノーケルを装着して、素潜りをします。ずっとその繰り返しなので、体力を必要とします。私もくたくたになりました。しかし、一度海に飛び込めば、手付かずの美しいサンゴ礁と色鮮やかな熱帯魚達が、調査の疲れを癒してくれます。まるで、水族館の水槽の中を泳いでいるような感覚です。そして、夜にはプラネタリウム顔負けの星空が出迎えてくれます。街明かり一つ無い南国の星空は一見の価値ありです。大変のことも多いですが、このような貴重な体験が出来る研究室は、筑波大学の中でも数える程しかないのではないかと思っています。

また、西表島の造礁サンゴ以外にも、本分野では様々な研究を行うことが出来ます。具体例としては、最先端の観測機器を用いた気象系の研究や数値モデルによる海洋環境の研究が挙げられます。そして、研究所内にある実験用大型施設を用いた研究を行うことも可能です。いずれも通常では中々実現できない、本分野ならではの研究です。

私の居室は、大学構内ではなく、防災科学技術研究所の中にあります。学生には、机とデスクトップパソコンが一人一台ずつ支給されます。食堂や自動販売機が完備され、コンビニもすぐ近くにあります。一方で、研究所は、一ノ矢学生宿舎の北側、学内から自転車で10分程度の場所にあるため、授業の際などは若干移動の手間が掛かります。そして、専攻の同期達とは離れた場所にいる為、時々寂しくもなります。しかし、ここで行える研究は、それらを補って余りある、魅力的なものばかりです。

もし、本分野に興味を持たれた方、見学を希望する方がいらっしゃいましたら、是非一度研究所までお越しください。スタッフ・学生一同、心よりお待ちしております。

陸域・水循環システム分野M1 柴山拓実

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