国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
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大規模崩壊・岩屑なだれ・河道閉塞

栄村 中条川支流東入沢川付近の大規模崩壊にともなう岩屑なだれと河道閉塞 (Loc. 1)


崩壊は、東入沢川の南〜南西向き斜面に3カ所発生している。 崩土の一部は岩屑なだれとして1 km下流の宿泊施設「トマトの国」付近まで流下したが、崩壊地付近において多くの崩土が河道を閉塞している。
地質:後期鮮新統−前期更新統魚沼層の安山岩凝灰角礫岩・安山岩溶岩を主とし、礫・砂などからなる(1/5万地質図「松之山」)。地層の走向は北東方向で傾斜はおおよそ20〜50°S(1/5万地質図「松之山」)。

以下の写真では、崩壊源と堆積域は崩壊後に降った雪に覆われている。

向かって右側の沢(東入沢川)に3カ所、大規模崩壊地がある。Aの崩壊地はそれぞれ幅200 mと長さ200 mくらい)、3つのうち最も下流側の崩壊地である。
中条川1.jpg

「トマトの国」脇の沢から東入沢川を見る。「トマトの国」脇の沢の河床は、径50cm〜1 mの礫を主とする岩屑なだれの堆積物が、幅150 mの河床を約10 mの厚さで覆っている。
中条川2.jpg

関係者からの情報によると、崩壊地下部の谷底では大量の崩土が河道を閉塞している(天然ダム、赤矢印)。天然ダムの決壊による土石流発生の恐れがあるため下流域の住民は避難中である。
中条川3.jpg
中条川4.jpg


十日町市辰ノ口 斜面崩壊および岩屑なだれ (Loc. 2)


斜面崩壊は、烏帽子形山の山頂付近の北北東向き斜面に発生した。
崩壊の規模は、およそ幅80 m、長さ150 m程度である。崩土は岩屑なだれとなり約800 m流下して国道353号線を越えた(国道の土砂は取り除かれている)。
地質:後期鮮新統−前期更新統魚沼層の安山岩凝灰角礫岩・火山礫凝灰岩を主とし、礫および砂からなる(1/5万地質図「松之山」)。地層の走向は北東方向で、傾斜はおおよそ25°Sである(1/5万地質図「松之山」)。

以下の写真では、崩壊源と堆積域は、崩壊後に降った雪に覆われている。

全景
辰ノ口1.jpg
辰ノ口2.jpg

国道より下流側の堆積域
辰ノ口3.jpg

国道脇の堆積物。土砂は表面に付着しているだけでほとんどが災害前に積もった雪であると思われる。
辰ノ口4.jpg




2011年3月12日長野・新潟地震の土砂災害調査