国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
トップ 一覧 検索 ヘルプ RSS ログイン

平成29年台風第3号と類似した経路の過去の台風

更新履歴

  • 平成29年7月3日 初版

連絡先 

  • 水土砂防災研究部門 栢原・飯塚
  • 広報課担当者 菊地・三好(029-863-7784)

 平成29年7月3日 更新情報

概要

7月3日15時現在、台風第3号は東シナ海を北上し、その後九州などへの上陸が予想されています(http://www.jma.go.jp/jp/typh/)。私たちが運用している「台風災害データベースシステム」*を使用して台風第3号と類似する経路をもつ過去に災害をもたらした台風を検索した結果を示します.
*台風災害データベースシステム(http://ccwd07.bosai.go.jp/DTD2/index.html

台風3号の経路と類似する過去の台風経路

今回の台風3号と類似した経路を取った台風として、2010年台風第9号(1009)、1984年台風第10号(8410)、1981年台風第5号(8105)、1978年台風第18号(7818)、1968年台風第7号(6807)が存在しました(台風災害データベースの類似台風とは異なる手法で過去の台風を選択しています)。


2010年台風第9号

9月4日に沖縄本島と久米島の間を通過し、5日から6日にはゆっくりした速度で東シナ海を北上した。7日正午には長崎県対馬市の北を通過し、山陰沖を東北東に進み、8日11時過ぎに福井県敦賀市付近に上陸した。南東に進み、岐阜県から静岡県を通過した。8日15時には静岡県付近で熱帯低気圧に変わった。8日は中国地方から東北南部の広い範囲で大雨となった。熱帯低気圧は関東の東海上に抜けた(参考資料:気象要覧)。


1984年台風第10号

台風は,8月18日から19日にかけて宮古島と沖縄本島の間を通過した後,東シナ海を北上,日本海に進み,22日21時日本海北部で温帯低気圧となった。死者1人、負傷者9人、全壊3棟、半壊・一部破損47棟、床上浸水135棟、床下浸水92棟(参考資料:気象要覧)


1981年台風第5号

6月20日夜台湾北部を通過した後,東シナ海を北東に進み,22日20時過ぎに長崎県北部に上陸し,同日22時に福岡県北部で熱帯低気圧となった(参考資料:気象要覧)。


1978年台風第18号

9月11日に台湾と与那国島の間を北上していた台風は,14日には東シナ海で向きを北東に転じ,15日16時頃山口県に上陸した。南西諸島では風が強く,また,九州北部,中国,四国地方では強風が顕著であった。死者11人、全半壊2777棟、半壊・一部破損17棟参考資料:気象要覧)。

1968年台風第7号

8月11日3時潮岬の南東120kmの海上で向きを西から南西に変えて,東シナ海に入った。14日21時に北緯27.7度,東経123.7度に達して向きを北東に変えた。台風は,日本海中部を経て,17日18時には沿海州に達して温帯低気圧となった。14日21時には最盛期となり,中心気圧は965hPa,中心付近の最大風速30m/sであり,この勢力は15日3時まで続いた。死者・行方不明133人、負傷者63人、全壊52棟、半壊122棟、流失19棟、一部破損250棟、床上浸水2147棟、床下浸水12515棟(参考資料:気象要覧)。

※台風経路および雨量分布の作図には、気象庁のベストトラックデータおよびアメダスデータを利用しています。