国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
トップ 一覧 検索 ヘルプ RSS ログイン

平成29年台風第5号と類似した経路の過去の台風:第2報

更新履歴

  • 平成29年8月4日 第2版

連絡先 

  • 水土砂防災研究部門 栢原・飯塚
  • 広報課担当者 菊地・三好(029-863-7784)

 平成29年8月4日11時 更新情報

概要

8月4日現在、台風第5号は奄美大島周辺を移動し、今後九州方面への上陸が予想されています。(http://www.jma.go.jp/jp/typh/)。
私たちが運用している「台風災害データベースシステム」*を使用して、今後予想される台風第5号の経路と類似する経路を取った過去の台風を検索した結果を示します。
*台風災害データベースシステム(http://ccwd07.bosai.go.jp/DTD2/index.html

台風第5号の予想される経路と類似する過去の台風

今後の台風第5号と類似した経路を取った台風として、1980年以降では2016年台風第12号、2004年台風第16号、2005年台風第14号、1992年台風第10号、1989年台風第6号、1982年台風13号、1980年台風13号がありました。また、1980年以前では、1979年台風第12号、1964年台風第14号、1955年台風第22号がありました(台風災害データベースの類似台風とは異なる手法で台風を検出しています)。


  • 1612:2016年台風第12号、0514:2005年台風第14号、0416:2004年台風第16号、9210:1992年台風第10号、8906:1989年台風第6号、8213:1982年台風第13号、8013:1980年台風第13号、7912:1979年台風第12号、6414:1964年台風第14号、5522:1955年台風第22号
  • 上陸時の気圧 2016年台風第12号:1000hPa(長崎県)、2005年台風第14号:960hPa(長崎県)、2004年台風第16号:950hPa(鹿児島県)、1992年台風第10号:965hPa(熊本県)

        1989年台風第6号:985hPa(鹿児島県)、1982年台風第13号:955hPa(宮崎県)、1980年台風第13号:965hPa(鹿児島県)、1979年台風第12号:990hPa(鹿児島県)
        1964年台風第14号:965hPa(鹿児島県)、1955年台風第22号:940hPa(鹿児島県)



2016年台風第12号

台風は、強い勢力のまま9月4日02時に枕崎市の南西約60kmの海上まで北上した後、勢力を弱めながらゆっくりと北上を続け、5日01時過ぎに長崎市付近に上陸し、09時に対馬海峡で熱帯低気圧となった。2日から5日にかけて、熊本県、宮崎県、鹿児島県では総雨量200mmを超える大雨となった。

48時間積算雨量





2005年台風第14号

9月5日10時に名瀬市の東南東約110kmの位置にあり、その後九州南部の西海上を北上し、6日14時過ぎに長崎県諫早市に上陸した。九州北部を通過して、山陰沖に抜け、日本海を北東に進んだ。この台風はゆっくりと九州西方海域を進んだため、九州各地では大雨となり、宮崎県・大分県を中心とする九州地方では土砂崩れや河川の氾濫などの災害が発生した。この台風により、死者・行方不明29人、負傷者175人、全壊883棟、半壊1949棟、一部破損2792棟、床上浸水9333棟、床下浸水12499棟の被害が生じた(参考資料:気象要覧)。

48時間積算雨量


2004年台風第16号

鹿児島県串木野市付近に大型で強い勢力で九州を縦断し、山口県防府市付近に再上陸した後、中国地方から能登沖を、速度を速めながら強い勢力のまま北東に進んだ。8月27日から31日にかけての総雨量は、西日本の太平洋側で500mmを越え、台風上陸・接近に伴い各地で暴風となり被害をもたらした。また30日夜には、台風接近と大潮期間の満潮とが重なり、高松港,宇野港などで観測開始以来最も高い潮位を観測した。瀬戸内海沿岸では広い範囲にわたって浸水被害が発生した。この台風により、死者・行方不明16人、負傷者273人、全壊18棟、半壊74棟、一部損壊2862棟、床上浸水15971棟、床下浸水28964棟の被害が生じた(参考資料:気象要覧)。

48時間積算雨量





1992年台風第10号

中型で非常に強い勢力で奄美大島を通過した後、北北東に進路を変えて、8月8日9時30分ころ、熊本県に中型の強い勢力で上陸した。その後、九州北部、周防灘を経て、山口県宇部市付近に再上陸した。台風は中国地方を縦断し、山陰沖に抜けた。この台風により、死者・行方不明7人、負傷者67人、全壊・流失27棟、半壊・一部破損1534棟、床上浸水155棟、床下浸水1353棟(参考資料:気象要覧)。


48時間積算雨量



1982年台風第13号

南大東島付近を通過して,8月27日0時過ぎに宮崎県都井岬付近に上陸した。その後九州東部と山口県を縦断して日本海に進んだ。この台風により、死者・行方不明7人、負傷者28人、全壊・流失11棟、半壊・一部破損48棟、床上浸水374棟、床下浸水893棟の被害が生じた(参考資料:気象要覧)。

48時間積算雨量


1980年台風第13号

9月11日に鹿児島県大隅半島に上陸し,その後山口県西部から日本海へ進んだ。この間,前線が日本の南海上に停滞していたこともあって,10日,11日はほぼ全国的な風雨となった。この台風により、死者・行方不明11人、負傷者67人、全壊・流失3棟、半壊・一部破損80棟、床上浸水166棟、床下浸水5388棟の被害が生じた(参考資料:気象要覧)。

48時間積算雨量



※台風経路および雨量分布の作図には、気象庁のベストトラックデータおよびアメダスデータを利用しています。また、作図にはGMTを利用しています。