国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
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令和元年台風19号についてのデータ同化によるリアルタイム風速場推定

リアルタイム地上風推定情報の公開について

更新日:2019年10月9日

担当者:清水慎吾

2019年台風19号が勢力を強めながら日本に接近中である。
様々な観測データを用いたシミュレーションへのデータ同化手法により、
リアルタイム地上風推定を防災科研では行っており、
その情報をクライシスレスポンスサイトにて2019年10月8日に公開した。

クライシスレスポンスサイトにおける風向風速場のページの
「リアルタイム解析:データ同化によるリアルタイム地上風推定」をご参照ください。
案内

クリック後に以下の風速場の画面が閲覧できます。

案内

本システムの特徴

  • データ同化を行うことで、風速を測定していない海上の風も推定することが可能である。(注1)
  • 格子解像度1kmメッシュでの推定により、市区町村の街区単位での風速推定が可能である。(注2)
  • 観測データとしてはXバンドMPレーダおよび気象庁アメダス10分値を用いる。
  • 気象庁の局地モデル(LFM)の予測値を背景場として利用している。
  • 10分更新で速報値を提供(5-7分遅れであるがリアルタイム性が高い)(注3)
  • 現在は計算コストの制約から計算範囲が関東に限定されている

注1:地上風推定は数値モデル計算の最下層(高度50m)から接地境界層の仮定に基づき、地上粗度や大気安定度などに基づくバルク法で推定している。
注2:LFMは格子解像度2kmであるが、データ同化を行っている雲解像数値モデルCReSSでは格子解像度1kmメッシュを使用。
注3:LFMの予測値は1時間毎であるが、これを10分間隔に時間内挿し背景場を作成し、最新の10分毎の観測データを三次元変分法で同化することで
背景場の風を修正し、地上風を推定している。

風速推定手法の簡単な説明

風速
風速2

本技術に関する参考論文

K. Shimose, S. Shimizu, R. Kato, and K. Iwanami, “Analysis of the 6 September 2015 Tornadic Storm Around the Tokyo Metropolitan Area Using Coupled 3DVAR and Incremental Analysis Updates,” J. Disaster Res., Vol.12, No.5, pp. 956-966, 2017.
https://www.fujipress.jp/jdr/dr/dsstr001200050956/