更新履歴
- 令和7年12月4日 初版
連絡先
- 極端気象災害研究領域 水・土砂防災研究部門 秋田・酒井・飯塚
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概要
熱帯低気圧センヤールの影響により、東南アジアでは記録的な豪雨に見舞われ、複数の地域で洪水や土砂崩れが発生しました。
防災科学技術研究所では、早期復旧の支援につながる情報プロダクツの創出に向けて、山地災害発生後に現地調査では困難な広域的な概況把握を早期に行うことを目的に、衛星データを使用して斜面変動(土砂流出の発生)範囲を抽出する手法の開発に取り組んでいます。今回、インドネシアスマトラ島北部地域周辺を対象に、豪雨前後の光学衛星データを用いて土砂流出推定範囲の抽出を試みました。その結果、約24,000km2(四国4県の約1.3倍の面積に相当)の広範囲において、斜面崩壊の可能性のある箇所が8,800以上、抽出されました。

図1:土砂流出範囲の推定結果
解析領域は図2および3を参照。除外範囲は斜面傾斜角5度未満の範囲と雲の範囲。
背景はESRIのWorld HillshadeとWorld Terrain Reference。地形データは地球地図全球版(空間分解能: 30m)を使用。
NDVI差分値を用いた土砂流出範囲の推定手法について
近年は斜面崩壊や土石流といった土砂移動現象による土砂災害が広域的に発生するケースが見られ、災害後の応急復旧のためにも土砂流出の発生場所とその範囲を把握することが必要です。このような応急復旧に資する情報発信を目的とし、水・土砂防災研究部門では、土砂流出推定範囲を抽出する手法の開発に取り組んでいます。
以下の光学衛星データを使用し、NDVI差分値に閾値を定めて二値化画像を作成し、斜面傾斜角により土砂流出の推定範囲を抽出しました。
ー使用した光学衛星データー Sentinel-2/MSI(空間分解能10m、L2A)
図2:豪雨前:2024年3月14日撮影

図3:豪雨後:2025年11月29日撮影

※GISアプリケーションは、ArcGIS Pro 3.1.1(ESRI JAPAN)を使用。