国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
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2008年4月8日大雨における気象状況

概況

 発達した温帯低気圧が関東地方を通過し、広い範囲に降雨をもたらした。低気圧は太平洋上で顕著な渦を形成し、渦の北側に位置する関東平野では、雲の動きが低気圧の進行方向とは逆の東→西となり、降雨が長引いた。その影響で、東大和市では浸水被害が発生し、あきる野市では土砂崩れ1件が発生したが、人的被害の報告はなかった。また川崎市多摩区西生田では、土砂崩れが1件発生し、2世帯6名が自主避難した。また横須賀市浦賀丘では、土砂崩れが1件発生し、8日17時45分、浦賀丘地区の一部4世帯15名に避難勧告が出された。

雨量の分布

 気象庁解析雨量を、2008年4月7日9時〜4月9日9時まで48時間積算した図を示す。関東平野にドーナツ状の雨域が見られるが、これは融解層(上空で雪の粒子が融けている層)を気象庁東京レーダが捉えたためと考えられ、必ずしも実際の雨域に対応しない。実際の強い降雨域は東京都西部および埼玉県西部に見られ、48時間の雨量は200mmを超えている。
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 また気象庁合成レーダGPVから作成した、4月8日5時59分における「半減期1.5時間実効雨量」分布を以下に示す。「半減期1.5時間実効雨量」とは、1.5時間前の雨量が0.5倍になるような重み付けをして積算した雨量で、短時間の降雨の集中度の指標となる量である。東京都西部および伊豆半島東部に大きな値が見られ、早朝の時刻に東京都のの山沿いに比較的強い降雨があったことを示している。

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地点の雨量


 気象庁アメダス青梅(東京都青梅市)のデータによると、雨は4月7日の21時頃から降り始め、翌8日22時頃まで降り続いた。時間雨量は、8日の5時が最も多く、15ミリを記録している。また降り始めからの累積雨量は140mmに達している。

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 また、気象庁アメダス日吉(神奈川県横浜市)のデータによると、雨は4月7日の21時頃から降り始め、翌8日の21時頃まで降り続いた。時間雨量は、8日の5時が最も多く、9ミリを記録した。降り始めからの累積雨量は約100mmで、東京都青梅の値よりかなり小さい。

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 気象庁アメダス三浦(神奈川県横須賀市)のデータによると、雨は4月7日の18時頃から降り始め、翌8日の19時頃まで降った。時間雨量はやはり8日の5時が最も多いが、値は8ミリである。累積雨量は約80mmである。

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2008年4月8日大雨被害調査