国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
トップ 一覧 検索 ヘルプ RSS ログイン

2019(令和元)年10月12〜13日台風19号による斜面変動調査報告

2019(令和元)年10月12〜13日台風19号による斜面変動調査報告


更新履歴

 2020年3月24日 初版

本件に関する連絡先

 水・土砂防災研究部門 若月

 概要

 2019(令和元)年10月6日3時に発生した台風第19号は,非常に強い勢力を保ったまま,12日19時前に伊豆半島に上陸し,13日12時に北海道の南東海上で温帯低気圧に変わった(総務省消防庁).この台風に伴う大雨により,太平洋側を中心に岩手県から長野県までの各県に被害が発生した.死者・行方不明者数は,福島県で30人,宮城県で21人,神奈川県で9人,長野県で5人,栃木県・群馬県・埼玉県で各4人,岩手県・静岡県で各3人など,計86人に及ぶ(総務省消防庁,2020年2月12日時点).また,住家の全壊は,福島県で1,470棟,長野県で916棟,宮城県で304棟,茨城県で146棟,埼玉県で134棟など,計3,247棟である.その中で,斜面変動による土砂災害は各県で発生したが,特に宮城県丸森町の被害が大きく,死者10人,行方不明1人,軽傷2名,住家の全壊113棟,大規模半壊246棟,半壊623棟に及ぶ(丸森町ホームページより抜粋).
 防災科研では,防災・減災研究に資するため,宮城県丸森町とその周辺,及び岩手県三陸海岸沿い(特に普代村と重茂半島・船越半島)で斜面変動の発生状況に関する現地調査を実施した.その結果,風化するとマサ土となる花崗岩類の地域において多数の斜面変動が発生したことわかった.


現地調査日:2019年11月2〜5日
調査員:若月 強・吉原直志・遠藤悠一・大森 想 (水・土砂防災研究部門)


宮城県丸森町とその周辺の地形と土砂移動分布図と調査地点.
土砂移動分布図は,国土地理院が災害直後に撮影した空中写真の正射画像(丸森地区(10/20撮影),丸森地区(10/21撮影))を元に防災科研が判読した(赤色:土砂移動範囲,黒線:判読範囲,黒網線:判読不能範囲).1〜9の青☓:調査地点,A:アメダス「筆甫」,B:アメダス「丸森」.地形図は国土地理院の標準地図(等高線間隔は100 m).なお,平野に広範囲に拡がる土砂移動範囲は,河川氾濫による土砂堆積である.
図2-1-1.png


宮城県丸森町とその周辺の地質.産業総合技術研究所の 20万分の1地質図幅「福島」に加筆した.花崗岩類の地域に土砂流出箇所が多い.青☓:調査地点,赤色:土砂移動範囲,黒線:判読範囲,黒網線:判読不能範囲.
・中期中新世槻木層・大内層及び迫層 M1s:礫岩・砂岩・泥岩及び流紋岩凝灰岩
・中期中新世梁川層・堀口層・土湯峠層・飯坂層・二の沢層・綱木川層(主部)・小野川層及びその相当層 M2a:安山岩火砕岩及び溶岩
・前期中新世霊山層・大久保層・綱木川層最下部及びその相当層 Eb:玄武岩―安山岩火砕岩及び溶岩
・白亜紀前期阿武隈花崗岩類 G2c:白雲母黒雲母花崗岩, G2b: 黒雲母花崗岩(淡紅色黒雲母花崗岩,灰色黒雲母花崗岩)・角閃石含有黒雲母花崗閃緑岩,G2a:角閃石黒雲母花崗閃緑岩・片状角閃石黒雲母トーナル岩
・白亜紀前期北上花崗岩類 G1c:黒雲母花崗岩・角閃石含有黒雲母花崗閃緑岩, G1b:角閃石黒雲母花崗閃緑岩・片状角閃石黒雲母花崗閃緑岩)
図2-1-2.png


宮城県丸森町,北上花崗岩類の花崗閃緑岩地域における斜面崩壊の様子.砕けたコアストーンがよく見られる.
写真3-1-1-4.png


宮城県丸森町,北上花崗岩類の花崗閃緑岩地域における山地から平野部に流入した土砂による丸森町の被害の様子.
写真3-1-1-6.png


岩手県中〜北部太平洋岸の地形(左)と地質(右).黒線は調査ルートであり,左図の赤☓,右図の黒☓は調査ルート上から目視で確認できた斜面変動による土砂流出箇所である.花崗岩類の地域に土砂流出箇所が多い.地形図は国土地理院の標準地図であり(等高線間隔200 m),地質は産業総合技術研究所のシームレス地質図V2である.
図2-2-1.png


宮古市白浜(重茂半島).花崗岩質の礫を含んだ土砂が流出,家屋多数に土砂流入・破壊.
写真3-3-1-73.png

写真3-3-1-74.png




 詳細はPDFファイルでご覧下さい

↓ファイルはこちら
2019MiyagiIwate_v200324.pdf(43)



2019(令和元)年10月12〜13日台風19号による斜面変動調査報告(短縮URL↓)
http://mizu.bosai.go.jp/key/2019MiyagiIwate