千葉県鴨川市宮は、鴨川市の中央より若干南西側に位置し、今回の調査地域はJR内房線太海駅から北西に1.6?の嶺岡トンネル近くの斜面である。
この地域の地層は、新生代古第三紀と新第三紀苦鉄質岩類が分布している。
表層崩壊の発生場所
鴨川市宮周辺の地質図
表層崩壊現場の状況
大雨によって、民家から約80m後方の自然斜面に比較的規模の大きな表層崩壊が発生した。崩壊発生時刻は6月22日午後2時頃で、斜面勾配は約40°、崩壊深は0.5〜0.7 mである。崩壊面には砂礫と粘土が分布しており、砂礫は苦鉄質岩のあまり蛇紋岩化していない部分の風化物、粘土は苦鉄質岩の著しく蛇紋岩化した部分の風化物であると考えられる。崩壊斜面は断層崖である可能性がある。
崩壊面の土層の粒度分析結果
粘土(〜8φ)6.3 %、シルト(8〜4φ) 14.1 %、砂(4〜-1φ)36.5 %、礫(-1φ〜)43.1 %