千葉県富津市金谷大沢は、富津市の南西側に位置し、今回の調査地域はJR内房線竹岡駅から南東に約1.6km、浜金谷駅から北東に約2.5kmで、館山自動車道竹岡第一トンネル近くの斜面である。この地域の地層は、新生代新第三紀中新世天津層が分布している。
崖崩れ現場の状況
崖崩れが発生した現場の地質は新第三紀中新世天津層の泥岩である。崩壊面の勾配は46°で崩壊深は約1m、崩壊幅は約15m、崩壊長は約36mであった。土層は、粘土質で、崩壊面より深部の層があまり風化しておらず、土層と基盤岩との境界が崩壊面となったと思われる。近所の人の話では、「5月20日の6:00頃崖崩れが起こった。上のほうの木が下まですべり落ちて、大量の土砂で道路が完全に埋まり、盛り上がるくらいの土砂量があった。金谷大沢への道路の長さは4kmほどあり、年2回は土砂崩れを起こしているが、今回のものは、規模が大きいかった。」とのことである。
崩壊面の土層の粒度分析結果
粘土(〜8φ)19.1 %、シルト(8〜4φ)46.5 %、砂(4〜-1φ)21.9 %、礫(-1φ〜)12.4 %