国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
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令和4年台風14号に伴う大雨等

更新履歴

  • 令和4年9月19日10:00  初版
  • 令和4年9月19日16:00  2版
  • 令和4年9月20日11:00  3版
  • 令和4年9月20日15:30  4版

連絡先 

  • 水・土砂防災研究部門 前坂、シャクティ、平野、秋田、飯塚

本サイトの短縮URL → https://mizu.bosai.go.jp/key/2022-TY14

概要

2022年9月18日に上陸した台風14号に伴い,各地で強風・大雨となりました.
国土交通省XRAINの観測データを用いて,9月17日0時から19日18時までの降雨強度・積算雨量を解析したところ,
地形による局所的な雨量の増加により,降雨は九州山地東側の500m以上の領域に集中していました.
また,九州・中国地方の一部での24時間積算雨量は、数十年に一度の「稀な」大雨でした.
水・土砂研究部門では,災害現場で即時的に活用できるよう、SNS等による1地点の浸水写真から,浸水範囲と浸水深を推定する手法を研究しています.
ここでは,推定された浸水深分布を公開しています(速報につき変更されることがあります).
さらに,SNS等の情報に基づく土砂崩れが発生した箇所も掲載しています.

降雨強度・積算雨量の時間変化

降雨強度と積算雨量の分布の時間変化を示した動画を YouTube に公開しました.

 九州地方の降雨強度と積算雨量(2022年9月17日0時から19日18時)

国土交通省XRAINのデータを用いて解析された,2022年9月17日00時(日本標準時・24時間制)から19日18時までの降雨強度と積算雨量の分布です.令和4年台風第14号(ナンマドル)の九州接近時に,九州地方の対流圏下層は東風が卓越し,そのため,九州山地の東側で多くの降雨が観測されました.特に標高500 m以上の山地で降雨の集中が見られました.降水の集中した領域を見ると,およそ東西の走向を持って分布しており,これは同じ地域で積乱雲が断続的に発生し,その積乱雲が風下側へ移動したために形成されたものです(線状降水帯).
(雨量はレーダーによる推定のため,実際の雨量と異なる場合があります.)
以下のURLから動画をご覧ください.
https://youtu.be/aeTlEjL3tmc
thumbnail_s.png

また,この動画の最後の時刻に表示されている,2022年9月17日0時から19日18時までの66時間の積算雨量を GeoTiff 形式にしたものも用意しました.積算雨量のカラースケールは動画のものと同じです.GISソフトウェア等で地図に重ねてご覧ください.
kyushu_2022091918jst_66h.tif(128)

大雨の稀さ

 山口県周辺 9月19日16時までの24時間積算雨量の稀さ(再現期間)

rr24hr_2022.09.19_1600.png

 宮崎県周辺 9月18日17時までの24時間積算雨量の稀さ(再現期間)

rr24hr_2022.09.18_1700.png

大雨の「稀さ」情報は、「防災クロスビュー」でリアルタイム公開しています。

https://xview.bosai.go.jp/view/index.html?appid=476291ce11594496a548aeb85a22873b

推定浸水域

 SNSにおける写真から,参考地点における浸水の深さを仮定して,周辺地域内の浸水状況を推定しました.

 山口県岩国市新岩国駅周辺 9/19 14:00頃

iwakuni.IND.png

 山口県岩国市氏新岩国駅周辺(道路冠水)

iwakuni.ROAD.png

 宮崎県都城市宮丸町周辺 9/18 16:00頃

miyamaruchoINU.png

 宮崎県都城周辺(道路冠水)

miyamaruchoROAD.png

土砂崩れの発生場所

 宮崎県三股町・椎葉村周辺

SNSの写真や報道情報を参考に、土砂崩れによる影響が発生している場所を示しました。
(参照情報) 
 1 宮崎放送
 2 NHK NEWS WEB
 3 株式会社Spectee レポート(SNSに見る、3連休を襲った台風14号の被害)

2022Miyazaki3.png
2022Miyazaki4.png