国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
トップ 一覧 検索 ヘルプ RSS ログイン

令和6年能登半島地震で発生した崩壊箇所、土砂流出範囲および津波浸水範囲の推定

更新履歴

 2024年1月4日 初版
 

担当者

 水・土砂防災研究部門 秋田 寛己、平野 洪賓、飯塚 聡

本サイトの短縮URL → https://mizu.bosai.go.jp/key/20240101


令和6年能登半島地震で発生した崩壊箇所の速報的判読

 概要

 令和6年1月1日16時10分頃に石川県珠洲市を震源とした最大深度7の地震が発生し、能登半島全域では甚大な人的被害が発生しています。それにより、山間部でも斜面崩壊が多数発生していることが考えられることから、当方では緊急撮影された高精細衛星画像を使用し、斜面崩壊の可能性の高い箇所を速報的に目視判読しました。
 大規模かつ新規崩壊地のみの結果ではありますが、震源から離れた山間部でも少なくとも100箇所以上で崩壊の可能性の高い箇所が判読されました。
 本ページの下部には、判読結果のポリゴンデータをkml形式などで保存しましたので災害対応のご参考になれば幸いです。

-使用した光学衛星データ-
  Pléiades Neo(分解能: 0.3m)
  災害後:2024年1月2日AM10:50(JST)撮影
   ※ArcGIS Pro 3.1.1(ESRI JAPAN)を使用し、GIS上で目視判読してポリゴン化


図1.png

図2A.png

図3B.png

図4C.png


(判読結果のポリゴン)
ダウンロード kml2.zip(132)


令和6年能登半島地震による土砂流出推定範囲 -石川県能登半島周辺-


 概要

 令和6年1月1日の地震で土砂災害のあった石川県能登半島周辺を対象に、災害前後の光学衛星データを用いて計算したNDVI(正規化植生指数)差分値から、土砂流出推定範囲を抽出しました。
 その結果、図1に黒矢印で示した輪島市袖ヶ浜の海岸沿い道路や穴水町・七尾市の里山海道沿いには、斜面崩壊の可能性のある土砂流出が少なくとも10箇所以上で見られました。
 なお、今回の対象領域の中央山間部には積雪があったため、除外範囲を広めにとっています。
 解析結果の詳細については防災クロスビューをご参照下さい。

図1_1.png


 NDVI差分値を用いた土砂流出範囲の推定手法について

 近年は斜面崩壊や土石流といった土砂移動現象による土砂災害が広域的に発生するケースが見られ、災害後の応急復旧のためにも土砂流出の発生場所とその範囲を把握することが必要です。このような応急対応に資する情報発信を目的とし、水・土砂防災研究部門では、土砂流出推定範囲を抽出する手法の開発に取り組んでいます。
 以下の光学衛星データを使用し、NDVI差分値に閾値を定めて二値化画像を作成し、斜面傾斜角により土砂流出の推定範囲を抽出しました。
 
 -使用した光学衛星データ-
  Planet Dove(分解能3m、L3B)
  災害前:2023年12月6日AM9:50(JST)撮影、災害後:2024年1月2日AM10:31(JST)撮影
   ※GISアプリケーションは、ArcGIS Pro 3.1.1(ESRI JAPAN)を使用。

 図2に災害前後の光学衛星データから作成したNDVI差分画像を示します。対象領域は、報道 1) による土砂災害発生地域を広域にカバーするように設定しました。なお、使用した衛星データは分解能3mであるため、面積9m2(3m×3m)以下の変化は捉えることができません。
 斜面崩壊や土石流などの土砂移動現象により裸地化した範囲はNDVI差分値が大きくなり、白色であらわれます。
 1)NHK NEWS WEB

図2_1.png

 次にNDVI差分値に閾値を定め、土砂流出の可能性のある範囲を抽出します。
 閾値は0.25以上を適用し、土砂流出の可能性のある範囲を抽出しました。加えて、国土地理院10mDEM 2) を使用して対象領域での斜面傾斜角を整理し、既存の調査結果など 3)4) から、斜面傾斜角10度以上を土砂流出推定範囲と判断しています。
 2)基盤地図情報(国土地理院)
 3)砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)解説(国土技術政策総合研究所.2016)
 4)土石流・流木対策指針解説等(林野庁森林整備部.2019)


令和6年能登半島地震で発生した津波浸水域の推定

 概要

令和6年1月1日に石川県能登地方で発生した能登半島地震により、石川県志賀町(しかまち)で震度7を観測したほか、津波も観測されました。
ここでは,SNS等による1地点の浸水深の情報から,石川県珠洲市飯田港付近において推定された浸水域を公開しています(速報につき変更されることがあります)。
※水・土砂研究部門では,災害現場で即時的に活用できるよう、浸水範囲と浸水深を推定する手法を研究しています。

 推定浸水域

SNS等における写真から,参考地点(赤×)における浸水の深さを仮定して,周辺地域内の浸水状況を推定しました.
ショッピングプラザ周辺の情報から推定した浸水域は、Web上で報告されている衛星画像から推定した推定浸水域と比較すると狭いことから、若山川両岸の浸水は川を遡上した津波により生じたと推測されます。

ショッピングプラザ周辺

Port.png

若山川右岸周辺

RiverR.png

若山川左岸周辺

RiverL2.png

 推定浸水域データ

ショッピングプラザ周辺

ダウンロードはこちら→shp_Iida1_Port.zip(188)

若山川右岸周辺

ダウンロードはこちら→shp_Iida2_Right.zip(128)

若山川左岸周辺

ダウンロードはこちら→shp_Iida3_Left.zip(94)