国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門
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2021年7月3日熱海市の土砂災害における降雨の特徴(速報)

更新履歴

  • 令和3年7月3日17:00 初版
  • 令和3年7月3日19:00 地上付近の水蒸気流入の時間変化を追記

連絡先 

  • 水・土砂防災研究部門 三隅,若月

本サイトの短縮URL → http://mizu.bosai.go.jp/key/R3_0703Atami

概要

2021年7月3日午前、熱海市伊豆山周辺で土砂災害が発生しました。雨量の「稀さ」(何年に1回の大雨?)を調査したところ、半減期72時間実効雨量は100年以上に一度の稀な雨であった一方、24時間雨量は5〜10年に一度程度の雨でした。短時間の雨量ではなく、数日間に降り続いた雨量によって土砂災害が引き起こされたと思われます。

なお大雨の「稀さ」情報は、「防災クロスビュー」でリアルタイム公開しています。
https://xview.bosai.go.jp/view/index.html?appid=1a3e4097d0dc4e648035ccb8909ab845

■雨量の振り返り
https://sip4dkit-web.bosai.go.jp/timeseries/rain202107.html
■「稀さ」の振り返り
https://sip4dkit-web.bosai.go.jp/timeseries/rainrp202107.html

 半減期72時間実効雨量の「稀さ」

72h-return.png

図の説明:2021年7月3日10:30における、半減期72時間実効雨量の「稀さ」の分布。災害が起こった熱海市周辺(矢印)では、再現期間が100年以上になっています。なお半減期72時間実効雨量とは、土中の水分量を表す指標の1つで、72時間前の雨量が0.5倍になるように重みづけした積算雨量です。

  • 実効雨量とは

https://sip4dkit-web.bosai.go.jp/rain/effectiverainfall/

 24時間雨量の「稀さ」

24h-return.png

図の説明:2021年7月3日10:30における、24時間雨量の「稀さ」の分布。災害が起こった熱海市周辺(矢印)では、再現期間が5〜10年になっています。

 地上付近の水蒸気流入の時間変化(2021年7月2日14時〜7月3日13時)

atami_202107020500-07030400.gif

図の説明:防災科研・気象場の客観解析(1キロメッシュ)による2021年7月2日14時(05UTC:世界協定時)から7月3日13時(04UTC)の地表付近の風(矢印)と,空気1kgあたりの水蒸気の質量(カラー)の1時間毎のアニメーション。熱海市付近(図の灰色□)には,24時間以上,大雨の元となる大量の水蒸気が南〜南西風によって運ばれていた。

  • 防災科研・気象場の客観解析とは

https://www.bosai.go.jp/activity_special/pdf/6742019.pdf